[民法]代理権授与行為の法的性質

民法

代理権の発生

代理権がどのように発生するかについて、以下のような争いがあります。

○ 委任、雇用、請負、組合などの各種の事務処理契約から直接生じるとする考え方

○ 事務処理契約とは別個独立の代理権授与行為によって生じるとする考え方(通説)

代理権授与行為の法的性質

代理権は、委任等の契約とは別個独立の「代理権授与行為」が必要であるとして、その代理権権授与行為のの法的性質については、以下のような見解があります。

○ 無名契約説(通説)
本人と代理人との間で結ばれる、委任に類似した一種の無名契約であると考えます。
無名契約」とは、民法に規定する13の典型契約以外の契約のことをいいます。非典型契約ともいいます。

13の典型契約

①贈与、②売買、③交換、④消費貸借、⑤使用貸借、⑥賃貸借、⑦雇用、⑧請負、⑨委任、⑩寄託、⑪組合、⑫終身定期金、⑬和解

○ 単独行為説
本人の単独行為であると考えます。

内部契約の取消しと代理権授与行為の効果

委任等の内部契約が消滅した場合、「代理権授与契約」の効果に影響があるか問題となります。

対内的な関係を定める委任契約等の「事務処理契約」と、対外的な資格を授与するという「代理権授与契約」は別個の契約です。しかし、代理権授与契約は、事務処理契約の目的を達成するための手段であることから、両契約は、有因関係にあるといえます。そのため、事務処理契約が無効・取消し等により消滅すれば代理権授与契約も消滅することになります。

関連する制度について

「代理」について、詳しくは以下をこちらをご覧ください

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