法律行為
意義
権利変動が生じる原因のことを「権利変動原因」といい、この権利変動原因の1つが「法律行為」です。
法律行為とは、意思表示を不可欠の要件する、当事者の意思に基づいて権利変動という法的効果が認められる行為をいいます。他の権利変動原因と大きくことなる点は、「意思表示」を不可欠の要素としている点です。
物権変動については、以下の記事を参照ください。
法律行為の種類
① 契約
② 単独行為
③ 合同行為
契約
意義
「契約」とは、目的が対立する複数当事者の意思表示が合致することにより成立する法律行為のことを指します。
売買(民法555条)、贈与(民法549条) 賃貸借(民法601条)、請負(民法632条)などがこの契約にあたります。
一番わかりやすいのは、「売買契約」でしょう。売買の規定(民法555条)には、以下のように規定されています。
民法555条(売買)
売買は、当事者の一方がある①財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその②代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。
①の「財産権を相手方に移転することを約」する意思表示のことを「申込み」といい、
②の「代金を支払うことを約する」意思表示のことを「承諾」といいます。
契約自由の原則
契約は、私的自治の原則のもと当事者が「誰と」「どのような方法で」「どのような内容の」「契約を結ぶのか」という事項について自由であると考えられています(契約自由の原則)。
この契約自由の原則は、契約の相手方も有するから当事者間で自由の衝突が起こます。
そうすると、この調整を図る必要がです。
ですが、当事者が対当な立場で調整することができるのであれば、その自治に任せるのが、より私的自治の原則の考え方に沿う結果となるはずです。
そのため、契約自由の原則が制限される場面は、公序良俗に反する場合(民法90条)、消費者契約法に反する場合等に限定されています。
単独行為
「単独行為」とは、一方当事者の1つの意思表示のみで成立する法律行為のことをいいます。
追認の意思表示、契約解除の意思表示、遺言などが、この単独行為にあたります。
単独行為の場合、契約とは異なり一方的な意思表示によって法律効果を生じるものです。
そのため、意思表示を受けた相手方からすると、法律に規定されていない法律効果を突然つきつけられることがないように「単独行為」は、法律に特別の定めがある場合にのみ許されています。
合同行為
「合同行為」とは、複数の意思表示が同一の内容、目的のために合致させることにより成立する法律行為のことをいいます。
社団の設立行為がこれにあたります。
法律行為の成立
法律行為が有効に成立するためには、各法律行為の性質に応じた要件を充足する必要があります。
法律行為の1つである契約は、当事者間で別の目的のために意思表示をし、合致させる必要があります。そのため、契約の成立しているのか、そして成立したとしてその内容など、当事者間で争いとなることが多々あります。
そのため、契約の解釈、契約の内容確定が問題となります。
準法律行為
「準法律行為」とは、意思が表示されているものの、その行為の効果がその表示された意思に従って生じるのではなく、法に規定された効果が生じるもののことをいいます。
○ 弁済の受領拒絶
⇒意思表示の内容:弁済しません!
⇒生じる効果:債務者に口頭の提供(民法493条ただし書)、供託を可能する効果(民法494条1項)が生じます。
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